ホームページの問い合わせ率(CVR)は、決めた期間の問い合わせ件数を、同じ期間にサイトを訪れた数で割って算出します。たとえばセッションを分母にするなら「問い合わせ完了数 ÷ セッション数 × 100」です。ただし、分母をユーザー数にするかセッション数にするかで率の意味は変わるため、毎回同じ定義で比較する必要があります。

この記事では、問い合わせ率の計算式、GA4のキーイベント率との違い、数値を比較する条件、問い合わせが少ないときの分析手順を解説します。業種や問い合わせ内容を問わず当てはまる「理想のCVR」は置きません。自社の定義と過去の推移を使って、改善すべき場所を探しましょう。

問い合わせ率(CVR)の基本式

CVR(Conversion Rate)は、サイトで設定した成果行動の割合を示す指標です。問い合わせを成果とする場合、計算式は次のように表せます。

問い合わせ率(%)=問い合わせ完了数 ÷ 対象となる訪問数 × 100

たとえば、ある期間の問い合わせ完了が12件、セッション数が1,200なら、セッションを分母にした問い合わせ率は1%です。この例は式の計算方法を示すだけで、特定業界の目安や成果基準を意味しません。

分母はユーザー数・セッション数・訪問数のどれにするか

サイト分析でいう「訪問」は文脈によって意味があいまいになりやすいため、実際にはGA4のセッション数やユーザー数など、使う指標名を決めて記録します。

分母の例 率が表すこと 注意点
セッション数 訪問1回あたりの問い合わせ発生割合 同じ人が複数回訪問すると、それぞれ別セッションになる
ユーザー数 ユーザーあたりの問い合わせ発生割合 複数回の訪問をした人をどう数えるか、指標定義を固定する
対象ページのセッション数 特定の入口・ページ群からの訪問に対する割合 問い合わせに至るまでの複数ページ閲覧を考慮する

分母を変えると過去との比較可能性が失われます。レポートには「問い合わせ率(セッション基準)」のように定義を書き、期間、対象ページ、流入チャネル、問い合わせイベントの条件も併記してください。

問い合わせ完了数の定義を整える

フォーム入力開始、送信ボタンのクリック、送信成功、電話番号タップは異なる行動です。問い合わせ率の分子にするのは、事業上の成果として数える行動に限定します。たとえば、エラーメッセージが表示されたクリックを「問い合わせ完了」に含めると、実際より高い率に見えてしまいます。

GA4では、重要な行動を測るイベントを作り、キーイベントとして扱います。Google公式ヘルプでは、セッションキーイベント率を「キーイベントが発生したセッション数 ÷ 合計セッション数」と定義しています。これはキーイベントの発生回数をセッション数で割る式とは異なり、同一セッション内に複数回イベントが起きても、分母となる指標の解釈が変わります。自社で独自のCVRを計算するときは、GA4の既存指標と式を混同しないようにしましょう。

GA4へ問い合わせ完了を正しく送る設定方法はGA4で問い合わせを計測する方法を参考にしてください。イベント設定後は、フォーム管理画面などの実際の受付記録と突き合わせます。

CVRを見るときに条件をそろえる

月ごとのCVRを比べるときは、同じ種類のデータかを確かめます。分母、問い合わせイベント、対象ページ、流入の範囲、日付の範囲が違うと、変化の理由を判断できません。サイト改修や計測タグの変更があった場合は、その日付も残します。

問い合わせ件数が少ないサイトでは、少数の増減でCVRが大きく動きます。短い期間の率だけで改善の成功・失敗を決めず、同じ条件で期間を伸ばした比較や、フォームの実際の受付数も確認します。

問い合わせ率が下がったときの分析手順

1. まず計測漏れや定義変更を確認する

問い合わせ自体が減ったのか、イベントが届かなくなったのかを分けます。GA4のイベント・キーイベント、フォーム受付記録、送信メールを照合してください。フォームURL変更、GTM公開漏れ、同意設定、完了ページ変更などがないかも確認します。

2. 流入数と訪問者の構成を見る

流入チャネルや検索語の構成が変わると、問い合わせ意向の異なる利用者が増減します。全体CVRだけでは流入の質とページの問題を切り分けられません。チャネル別やランディングページ別に、同じイベント定義を使って比べます。

3. ページ閲覧からフォーム送信までを追う

サービス内容が理解しにくい、料金や対応範囲が見つからない、フォームへ進むボタンが分かりにくい、入力負荷が高いなど、段階ごとに仮説を立てます。ユーザーの行動データだけで決めつけず、実機での操作確認や顧客からの問い合わせ内容も手がかりにします。

4. 一つの変更を実施して、同じ指標で再評価する

影響が大きい箇所から一つ選び、変更日、仮説、確認方法を記録します。変更をまとめて行う場合も、各変更点と日付を残し、前後の期間や流入構成が大きく違わないかを確かめます。

CVRを改善するための確認項目

確認箇所 問いの例
情報の不足 サービス内容、費用、実績、対象条件が検討者に伝わるか
導線 次に取る行動が分かり、相談方法を見つけられるか
フォーム 必須項目が過剰でないか、エラーの原因が理解できるか
端末表示 スマートフォンで文字や入力欄を無理なく操作できるか
計測 成功時のみイベントが発生し、重複・漏れがないか

「率を上げる」こと自体を目的化せず、適切な問い合わせが増えたかも確認します。入力を極端に簡略化すれば件数が増える場合でも、相談の質や社内対応負担が変わることがあります。計測した数字を事業の成果と結びつけて評価しましょう。

よくある質問

問い合わせ率の目安は何%ですか?

一律の基準値はありません。業種、価格、問い合わせのハードル、流入チャネル、計測定義などで変わります。自社の過去データと同じ条件で比較し、実際の問い合わせの質も合わせて判断してください。

問い合わせボタンを押した数を分子にしてもよいですか?

送信完了と区別して補助指標にするなら有用ですが、完了件数として扱うのは避けましょう。入力エラーや離脱を含めない計測が必要です。

GA4のセッションキーイベント率を問い合わせCVRとして使えますか?

問い合わせ完了イベントだけをキーイベントに指定している場合、参考指標にできます。ただし、その指標が数える単位と、自社で使うCVRの分母・期間を確認してください。

まとめ

問い合わせ率は、問い合わせ完了数を何の数で割るかを決めてから計算します。セッション基準かユーザー基準か、キーイベントの成功条件は何かを明記し、過去と同じ定義で比べましょう。数値が変わったときは、計測・流入・ページ・フォームの順に確認し、改善の仮説と結果を記録します。

サイト上の数値や問い合わせ導線の見直しはサイト制作・改善のご相談はこちらからお問い合わせください。

参考情報

関連する数値分析の記事

計測の準備から検索・入口ページの分析まで、次の記事もご覧ください。