採用サイトの社員インタビューは、社内の雰囲気を褒める文章を集めるだけでは、応募を考える人の判断材料になりません。先に「この仕事では何をするのか」「入社後に誰が支えるのか」「忙しい時期はどう変わるのか」といった疑問を決め、実際の場面を聞きます。個人の体験と、現在の募集条件・制度は分けて確認するのが基本です。

この記事は、採用サイト制作の全体工程のうち、社員取材から公開・見直しまでを詳しく扱います。掲載内容全体の優先順位は採用サイトに載せる情報の整理も参照してください。

質問より先に、候補者の疑問と確認資料を決める

厚生労働省の職場情報提供の手引は、求職者が業務内容、身に付くスキル、キャリア、職場環境、労働条件などを知りたいことを整理しています。社員の話は、その情報を具体的な場面で理解する助けになります。ただし、一人の経験を全職種に共通する事実として見せないようにします。

以下は一次資料を基に本記事で作った取材設計例です。実在する企業の取材結果やSEVEN PEBBLESの案件実績ではありません。

候補者の疑問取材で聞くこと照合する原資料公開判断・見直し
実際の仕事が見えない直近の一週間で担当した工程と成果物。担当しなかった工程も確認現行の職務記述・募集要項現場責任者が照合。担当業務が変われば更新
入社後の支援が不安初月に誰へ何を相談し、どんな支援を受けたか現在の研修・相談制度人事が制度の現状を確認。制度変更時に再点検
働き方を想像できない忙しい時期の仕事の変化と個人の工夫現行の勤務条件・部署の説明個人体験と制度・部署共通事項を分離
成長の道筋が分からない任された役割の変化と、必要だった学習現行の職種・評価制度将来の昇進や効果を保証する表現にしない

話者は「見せたい人」より、疑問に答えられる人から選ぶ

職種、担当領域、入社時期、働き方が異なれば、答えられる疑問も変わります。最初に記事の対象読者と募集職種を定め、その疑問について具体的な経験を話せる人を選びます。複数の職種を一人の体験に代表させず、必要なら別の職種の声や募集要項へ案内します。

取材時には「やりがいは?」だけで終えず、「どの案件で、何を担当し、誰と確認し、何が難しかったか」と場面を掘り下げます。公開できない顧客名や業務情報は取材前に確認し、原稿から除きます。話者の発言を編集したら、意味が変わっていないか本人に戻して確認します。

原稿の事実確認と掲載許可を分けて記録する

事実確認では、役職名、現行制度、職務、募集条件、写真の説明が一致しているかを人事や現場責任者が見ます。一方、本人には発言の趣旨、氏名・肩書の表記、写真の使用、掲載媒体と予定期間を確認します。個人情報保護委員会のQ&Aは、本人を識別できる写真の不特定多数への提供ではプライバシーや肖像権に配慮し、自主的に同意を得ることが望ましいと説明しています。これは全ての写真に一律の法的同意義務があるという意味ではありません。採用サイトでも、公開前に本人が判断できる形で掲載範囲を示す運用が適切です。

確認対象記録すること確認する人
発言・引用編集後の原稿、掲載箇所、公開範囲本人と事実を知る担当者
氏名・肩書・写真公開する表記、写真の利用範囲、差し替え窓口本人と人事・広報
制度・募集条件現行の正本、照合日、参照リンク人事などの主管部署

公開先と見直しの合図を決める

記事から該当職種の募集要項へ、「現在の仕事内容・応募条件を見る」のように意味が分かる文言でリンクします。募集要項の条件を社員の体験談だけで代用しません。公開後は異動、退職、仕事内容の変更、制度変更、募集終了を見直しの合図として記録します。削除・匿名化・差し替えを誰が判断するかも公開前に決めておくと、古い紹介を放置しにくくなります。

厚生労働省の手引も、古い・曖昧な情報の見直しや、数値を示す場合の定義と算出方法の明示を勧めています。確認できない平均値や成果を社員個人の発言に付け足さないでください。

公開前の最終確認

参照した一次資料

資料確認日:2026年10月11日。上の表は資料をもとに作った編集上の提案です。